1年越しの「有安杏果」からの卒業。

有安杏果、卒業発表後1年で、個人事務所のソロ活動にて復帰。


この事実に多くのモノノフが複雑な思いを抱えている。
一方で「どこかでわかってた」と思える結果だ。

 

ただ、これが当たってしまったときに素直に喜べないいくつかの理由がある。

まず、有安は「普通の女の子の生活をしたい」「予定のない日々を送ってみたい」と言ってももクロを去った。
そして日頃のツイートや大晦日のインスタではそれが出来ていると言っていた。

 

しかし、裏では粛々と個人事務所を立ち上げ、営業をしてレコード会社を決め、3月のライブハウスを押さえ、おそらく復帰作となるであろう曲の作曲とオケ録りを小谷さんに依頼し(小谷さんのTwitterで判明済み)、ソロ活動発表前日には小谷さんにディレクションしてもらいレコーディングまでしていた事実と、彼女の言葉はあまりに食い違う。

 

まるで去年1月21日に辞めた瞬間からきっかり1年後のソロ活動再開のために動いていたような俊敏さである。

 

例えば、この1年間で撮ったインスタ写真を後日写真集にして売った場合にそれはすなわちこの1年ただの芸能活動をしていたということでは?
年明けの挨拶でツイート数を315に揃えたことは偶然ではないだろう。1年前Twitterを始めたときからそうすることを決めていたのでは?
1年間のTwitterは普通の女の子活動ではなく、ただのソロに向けてのプロモーションだったのでは?

 

と、色々と考えてしまう。

 

 

つまり、全て逆算すれば、文章にあった「普通の生活をしながらやりたいことについてじっくり考えた」時間なんて彼女に存在しないのではないか。
いや、きっとそうだろう。分かっている。
ももクロを辞める瞬間から、彼女の中では「全て決まっていた」のだと思う。
復帰前提の卒業。

しかし、全てが既定路線であったことを当時否定し、今もなおひた隠しにする理由は、彼女からは一切に語られない。
アイドルという仕事をもうやりたくなくて辞めたというのは、もしかしたら彼女の感性ではダサい理由だったのかもしれない。
彼女の実直な言葉が聞けていれば、多くの人が少しは前向きになれたと思うのだが…

 

芸能事務所を辞めてからの復帰は通常2年とされたり、悪質であれば名前を使えないところもあるなか、1年で名前も変えずに復帰できるあたり、スターダストプロモーションが普通のきっちりした事務所であることは分かる。それは今回の収穫であったかもしれない。いい事務所に入っていたものだ。

 

それにしても。

10周年のももクロ結成日もメンバーの誕生日もあかりんの結婚発表もスルーしていたのに、大晦日に引退後初めてももクロに触れたのは、
多くのモノノフが喜んでいたような、「これから有安さんがももクロといい関係を保っていくこと」の現れではなく、
年明けすぐにソロ活動やるから触れておいて印象をあげておくか、というだけの意味であったことに嫌でも気づいてしまったことのむなしさが今は胸を突く。
分かっていたけれど、「ももクロに触れること」=ソロ活動の開始ということ。
ようするにももクロを自分のビジネスに使ったということだ。
人間なりふり構わない状況になればそこまでするものなのだ。
まあそれだけソロの道は険しいと言うことだろうか。


一方で、冒頭に言ったようにこれが全て想像できていたモノノフも多かっただろう。
彼女は数年間のソロ活動で、ももクロ本体よりソロ活動の楽しさに心を奪われてしまっていた。
もはや、自分の思うように、自己表現をしたいという気持ちが抑えられなかったのだろう。それは軽い彼女のファンであっても察していたことである。
もはやアイドルとしてのバラエティーや演技の仕事などは、彼女にとっては自己表現をする際の自由の妨げと認識されるいらない仕事だったのだろう。

しかし彼女の努力やら汗やら…のキャラの筋を通すなら、バラエティーやMCや子ども番組でも最後まで彼女らしさというのが見たかったなと思ってしまう。
「やりたくない」を前面に出してしまいそれがモノノフに伝わっていたということは、彼女の最大の失敗であっただろう。
ソロ活動をやりたいことと、バラエティートークの場での無気力さは、彼女に大なり小なり自己中心的なイメージを作り上げてしまった。


今もなお、多くのモノノフが「ソロ活動をやりたい」と言って辞めて欲しかったと思っているけれど、もはや過去のことだから仕方がない。
彼女も、もはや色とりどりを纏ったモノノフに自分の世界についてきてほしいとは感じていないだろう。
そして、大変申し訳ないながら、ももクロ在籍時にもソロの彼女や彼女の世界観にそう興味を持てなかった自分は彼女に必要とされる人間ではない。
なにより、今回の復帰を通して、彼女の発言の矛盾を感じても、それでも好きだと思える気持ちが不思議と残っていなかった。この1年でじりじりと削られた想いが今日、消えた。

 

私は今日、正式に有安杏果推しではなくなった。
ここでさようならだ。
貴方らしく頑張って下さい。

 

願いを言うならば、どうかソロ活動について、、4人には公式発表より先にちゃんと伝えていて欲しいなと思うばかりである。
そこまでの不義理はしないと信じたい。
リーダーに「芸能界をやめるのか」と聞かれて「うん」と言っているのだから……

 


個人的には、去年1年、これ以上なく「自分はアイドルが好きなのだ」と言うことを感じた年だった。
ももクロだけではなく、多くのアイドルグループが節目を迎えた年であったが、なんと嵐は今年で20周年とのこと。
夏菜子のいうとおり、アイドルはまだまだ沢山やれることがあると感じる。
今は、どんな時もアイドルであることに誇りを持っている4人を誇らしく思う。
これからも楽しく活動出来ることを祈るのみ。


【追記】

公式HPのコメント、いやあ粋だ。

仕事じゃないお知らせという表現。簡潔だが誰もを泣き笑いの笑顔にさせる文章。

4人は何があってもいつもの4人のままだ。

有安やそのファンを他と同じように、いつものようにただ勇気付けることができるアイドルだ。

彼女たちのブレないポリシーに改めて尊敬の念を込めて。